バベルの回廊にて

読書あれこれ

2022-01-01から1年間の記事一覧

エミリーに薔薇を(ネタバレあり) ウィリアム・フォークナー著

フォークナーの仕掛け フォークナーだけは英語で読みたいとずっと思ってきた。 何の作品だったか、最初にフォークナーを読んだとき、初めて「英語は美しい」と思った。 あたりまえだが、翻訳で読んでもそのリズムや音の美しさは伝わってこない。 英語は「音…

気を取り直して、改題。

しばらく書かずに放置してしまった。 このブログもネットの世界に無数に漂う「放置ブログ」のひとつになるところだった。 まぁ、殆ど誰も読んでいないのが幸い。 それにしても時々考える。 消去もせず、ああやって途中放棄されたブログの持ち主はどうしてし…

血と言葉      マリ・カルディナル 著

溢れる言葉から見えてくるもの 突然だが、健康診断会場で採血のときに気分が悪くなって倒れる男性がまれにいる。 そういう男性を見ながら女性ナースは、多分心のなかで「くっ」と笑いをこらえているに違いない。 「これっぽっちの血で!?」 採血で驚いてい…